今回は6月29日放送の

ETV特集 

死亡退院

さらなる闇

を振り返ってみます。

 

 

ある精神科病院を出た女性

 

3年間に渡って、

滝山病院を取材してきた。

 

病院スタッフによると、

その病院では

虐待というのは毎日。

 

彼女は体が動かせなくなっていく

っていう病気で、オムツ交換の

時に「ほら、あっち向けや」って

背中をダンってど突かれる感じ

だという。

 

東京八王子市にある精神科

滝山病院の内部告発で

明らかになったのは、

患者への虐待行為の数々。

 

入手したリストからは、

入院中に死亡する患者が

全体の8割近くに上がる

こともわかった。

(死亡退院 78%)

 

去年2月15日、滝山病院は

警察の捜索を受け、

これまでに看護師

5人が逮捕。

 

略式起訴となりました。

 

東京都は病院に対し、

改善命令。

 

厚生労働省も全国の自治体に

虐待防止を通知し、事態は

解決するかに見えた。

 

しかし、弁護士

死亡退院の状況から何も

変わっていないという。

 

事件から1年後、

病院は新たな患者

受け入れ続けている。

 

入院していた患者の多くは、

店員や退院を希望していた

ものの、かなわぬまま。

 

いまだに数十人が、

病院に残っている。

 

 

   

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死亡退院率はおよそ4割、

他の精神科病院に比べ、

突出して高いまま。

 

都内平均5.9%

(東京都調べ)

 

弁護士は、滝山病院では

毎月 毎月 何人かずつ

亡くなっていることが

わかりきっているのに、

患者さんがしかも

退院したいといって

いるのに、ずっと

そのままにしている

意味が分からない。

 

誰もやらない。

 

行政も専門家集団も

やらない理由はわからない

けども、そうなって

しまっている何かについては

ものすごく根の深い

問題があって、謎の状況が

あるという。

 

日本精神科病院協会 会長

あれは特殊な病院なんで、

あれを精神病院はみんな

こんなことやってると

思われたら、とんでもない

話でして、ただ結局、

そういう病院を生み出した

行政の責任というのを

みなさん追求しないで、

とんでもない病院だ

だけで終わっちゃっている。

 

精神医療の構造的

欠陥だと思う。

 

それを抱えたままで、

このままずっと進んで

いくんだったら、

ああいう問題って

またどこかで起きますよ

といった。

 

 

事件からさらに深まり

続ける精紳病院の闇。

 

1年4ヵ月の検証記録。

 

 

2023年5月、東京都は

病院に残っていた

患者たちへの

「転退支援」

を開始した。

 

対象となったのは

71人の患者で、

東京都にとっては

前例のない取り組み。

 

 

   

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支援の実務を担ったのは、

精神保健福祉士の専門家たち。

 

入院患者への聞き取りの結果、

転退院を希望したのは39人。

 

その3人に1人が精神障害に加え、

透析が必要など、身体に

合併症がある患者たち。

 

転退院を希望した男性は、

認知症があり、脳梗塞の

後遺症で右半身麻痺があり、

車いすを使っていた。

 

入院中の男性の様子を

知る人は、6月頃に

お会いした時は車いすで

普通に会話できる状態で

好きなお菓子を食べて

早く家に帰りたいという

ふうにおっしゃっていたという。

 

7月下旬、転退院支援が始まって

2ヵ月経っても男性は転退院

できずにいた。

 

転退院希望者39人は全員、

滝山病院に残されたまま。

 

転院先の候補となったのは、

都内63の民間の精神科病院。

 

支援にあたった精神保健福祉士

によると、個別の現状を

お伝えすると、身体的ケア・

費用の問題があったり、

折り合わないということも。

 

病院からは、この身体的な

状況では受けられないと

言われたこともあった。

 

あとは、精神科病院に透析の

設備があるところがほぼないので、

透析の方はかなり難しかった。

 

車いすを使われている方とか、

排泄介助が必要な方たちも

厳しかった。

 

 

   

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