今回は2月7日放送の
ザ!世界仰天ニュース
左側の世界が消えた脳の不思議
を振り返ってみたいと思います。
ある日突然、18歳の青年の
見る世界が変わった。
今まで見えていたものが消える。
今までみていたものが
わからなくなる。
脳の不思議、
その世界とは?
1986年兵庫県神戸市生まれの
小林さんは中高一貫の進学校に通い、
吹奏楽部で活躍し、リーダーとして
全国大会にも出場。
高校卒業後は予備校に通い、
東大を目指した。
2005年5月、小林さんが18歳の時に
突然、目の前の世界が歪んだ。
そして、気分が悪くなり、
意識を失ってしまう。
予備校の学生証で身元がわかり、
家族に連絡が入った。
医師の診断は、脳梗塞。
その時の脳の画像では、
右脳の大部分が壊死して、
白くなっていた。
さらに、脳の損傷部分が大きく、
血管から水分が漏れて脳内にたまり、
脳がむくみ大きく腫れあがる状態。
一刻も早く、右側の頭蓋骨を
取り外す手術が必要だった。
その手術は成功したが、
小林さんの意識が戻ったのは
1週間後だったそうだ。
幸いにも記憶もしっかりしていて、
言語も問題なし。
しかし、右脳を大きく
損傷したため、左半身が麻痺し、
動かすことが困難に
なってなってしまった。
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脳の謎 その1
右側の脳を損傷すると、
脳の残っている部分が機能を
肩代わりするようになると
いわれている。
小林さんも必死のリハビリで、
左半身が少しずつ動くように
なっていった。
ところが、病院の廊下を
歩いていると、ただのまっすぐな廊下が、
まっすぐなのか?下に落ちているのか?
どうなっているのかわからなくなり、
混乱する。
脳の機能は基本的に
左脳が言語や計算など論理的なことを、
右脳が見える情報を処理する
映像的能力など直感的理解に関わると
いわれている。
右脳を損傷した小林さんは、
目で見える世界を脳が正常に
処理できなくなってしまったと
思われる。
鏡で自分の顔を見ると、
今まで記憶にあった自分の顔は
どんな顔だったのかわからなくなる。
顔の見分けができず、誰なのか
わからなくなる相貌失認といわれる
症状があらわれた。
小林さんの脳の異変は
常に起こっている訳ではなく、
天気や気温などの様々な
環境で変わる。
手術から1ヶ月半、退院。
脳の謎 その2
見える世界がおかしくなる
自分には遠くにあると思った壁が
突然、目の前に迫ってくる感覚で、
他の人には想像もつかない状況。
実は彼と同じように右脳を損傷した
女性医師 山田さんは自らの体験を
医師として伝えたことで、
脳の不思議が理解されるように。
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山田さんの場合は、色違いの
タイルの道に来ると、
模様なのか?穴なのか?
出っ張りなのか?
わからなくなる。
階段はただの横線にしか見えず、
上りか下りかわからなかったという。
脳の謎 その3
脳の損傷➡左側の世界が消える
ある時から小林さんの視界から
左側が消えた。
イスはあるのに、
イスの存在に気づけない。
道を歩いていても、
電柱に全く気付かない。
彼の世界から左側が消えた。
それは半側空間無視という症状。
側頭葉や頭頂葉などの
「空間を認識する部分」
が損傷すると、
目では見えているのに
脳が認識できない。
右脳を損傷した小林さんは、
視界の左側を脳が認識しなかった。
どういう世界?
我々は通常、
自分の背後を気にしない。
だから、我々にとっての
後ろ側のように、小林さんにとって
左側は気にならない世界。
気にならないので、
注意しようがない。
半側空間無視の人に簡単な
家のイラストを見せて、
同じように描いてもらうと、
右側だけしか描かない。
そんな中、小林さんは
東大受験を諦めず、
勉強を再開。
しかし、文字も左側を
認識せず、「働く」が
「動く」に見えてしまう。
注意深く見ようとすればするほど、
集中した部分の左が消えて「カ」
に見えてしまう。
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