今回は2月6日放送の
ザ！世界仰天ニュース
を振り返ってみたいと思います。
1分20秒の遅れを
取り戻す悲劇
2005年 4月25日に
兵庫県で起こった
R福知山線脱線事故。
朝の9時過ぎに起きた
この事故は死者107人、
563人が重軽傷を負う
大惨事となった。
事故を起こした車両は、
制限速度70㎞/hカーブに
116㎞/hで進入し、脱線。
そして、事故当時の
JR西日本に潜んでいた
ある問題が明らかになった。
それは、ミスをすると
厳しい罰が存在することで、
その罰を受けたくない社員が
ミスを隠すようになていた事。
厳しい罰則ありきの教育が
続いていて、それを
受け入れられない社員たちが
苦しんでいた。
事故調査報告書や当時の
関係者の取材等を基に
再現されたもの。
事故を起こした運転手は
23歳で、運転士になって
11か月だった。
事故当日は、
朝6時に出勤。
午前9時、宝塚駅。
数本の運行を終えた彼は
大阪方面行の快速列車に
乗り込んだ。
京都の福知山と
兵庫の尼崎を結ぶ
JR福知山線。
宝塚はその途中にある。
それぞれの目的でこの時間、
この列車に乗り込んだ人たち。
この時、乗客は気が付いて
いなかったが、予定時刻より
遅れていた。
この時点で35秒の遅れ。
それが、運命を大きく
変えてしまう。
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午前9時13分39秒、
快速列車は通過駅である
北伊丹駅を120㎞/hで通過。
この時、遅れは1秒ほど解消、
遅れが生じた場合、可能な限り
正常なダイヤに戻す回復運転
というものが！
その方法は、停車時間を
切り詰めたり、より加速したり、
ブレーキのタイミングなどで
時間短縮を図るというもの。
これらは運転技術が
必要となり、先輩運転士等から
受け継がれていたそうで、少し
でも遅れを取り戻さなければと
運転手は思っていたかもしれない。
2000年にJR西日本に入社した
彼は2004年5月に運転士となり、
休日も運転技術の向上に励んた。
運転士になって３週間目の
事故の10か月ほど前の
運行中にある駅で
ブレーキ操作を誤り、
停止位置から100mも
はみ出してしまった。
人為的なミス
(ヒューマンエラー)。
これにより、ダイヤに
8分もの遅れを生じさせ、
彼は上司に厳しく
追及された。
1時間半にも及ぶ事情聴取で、
運転士にはペナルティーが
課させる。
当時のJR西日本には乗務員を
再教育する目的のプログラムが！
それは、日勤教育とよばれていた
国鉄時代からあった社内教育に
事故原因の分析や自覚・職務の
重要性などを理解させ、２度と
ミスを起こさないようにするための
システム。
現在は改善されているが、
当時はJR西日本 とくに大阪・
兵庫の日勤教育は厳しい
懲罰的なものとして知られていた。
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日勤教育となった者は
業務することは出来ず、
事故の顛末書や反省文や
指示されたテーマでのレポートの
作成し、自分を責め続ける毎日。
さらに、日勤教育は他の乗務員が
見える場所で、晒し者のように
行われている。
13日間にも及んだ日勤教育。
その指導は日勤教育と称し、
トイレ掃除や草むしりを
やらせれたケースや、
ある運転手は一日中、
経営理念についてのレポートや
就業規則の丸写しなどをさせられ、
今でいうパワハラが日常的だった。
23歳の運転手はミスには
厳しいペナルティーがあるのに、
ダイヤより35秒の遅れがあり、
伊丹駅直前で非常ブレーキを
促す警告音が鳴り、やっとの
思いで伊丹駅に停止するが、
またも操作を誤り、停止位置から
72mのオーバー。
遅れは1分8秒に増加し、この
大きな運転ミスにより、電車を
降りた人もいた。
午前9時16分10秒、
遅れは1分20秒となり、
伊丹駅を出発。
当時のJR西日本は
ダイヤを守ることに関して
異常なほど厳しかったという。
私鉄に勝つため、都市と都市を
結ぶ路線で、列車の本数を増やし、
到達時間を短縮することで
ライバル会社から乗客を奪う。
大幅な遅れとオーバーランは
重大なミスだった。
回復運転を試みたのか、
列車はどんどんと速度を上げ、
125km/hに達する。
午前9時18分、急カーブに
時速116km/hで進入し、
慌ててブレーキをかけたが、
16秒遅かった。
列車はカーブを
曲がり切れず、
マンションに激突した。
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